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作品に寄せて
雨氣さんの扱うものたちは貝だと欠けていたり、穴ぼこが空いていたり。石や砂も、誰も気に止めないような身近で採集したものたちだ。それらを雨氣さんは、美しい、と全力で愛する。こんなにすごく可愛いのに、美しいのに、一般的には価値がないと言うレッテルを貼られているのがすごく悔しいんです、と言った雨氣さんの言葉が印象的でずっと心に残っていた。
一般的に「美しい」「価値がある」とされているものも、もちろん良いのだけれど、それだけが価値のある良いものなのだろうか。世の中にはなんでもないもの、完璧ではないものであふれており、果たしてそれらは価値のないものになるのだろうか。
雨氣さんはそういった普通のものや完璧でないものの、足りない面を見るのではなく持っている個性や良さの面をレッテルにとらわれることなく真っ直ぐ見つめ、肯定する。
完璧じゃないものたちでも、素敵なところをたくさん持っている。人や人生だってそうだと思う。雨氣さんの作品を見て美しいと思うことは、人の悪い面ではなく良い面に意識を向けることや、日常のどこにでも美しさや幸せを感じれることに繋がっているんじゃないか。
そういう人がたくさん増えたら、もっと素敵な世の中になるんじゃないか、と思うのです。

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