
夏と飲み物と私
前編
Case1. 夏こそ気軽に、脚付きグラス。
--ヨリフネ
Case2 . 夏を乗り切るお守りのための器。
--奥平明子(ガラス作家)
Case3 . ノンアルを美味しく飲むための、ジンジャーシロップ。
--ヨリフネ / 三輪周太郎(金工作家)
Case4 . 連想ゲームのその先に。
--塚崎愛(陶芸家)
後編
Case5 . 夏を飲み込む、季節のジャムのソーダ割。
--津村里佳 (ガラス作家)
Case6 . スープだって飲み物。
--小林耶摩人(陶芸家)
Case7 . 体の熱を冷ましてくれる、"夏の"ジンジャーシロップ。
--ties / 遠藤千恵(料理家)
Case8 . 丸ごと冷やしてキュッと飲みたい、シロボトル&グラス。
--津村里佳(ガラス作家)
Case9 . ビールのお供、からあげの器。
--小林耶摩人(陶芸家)


Case1 . ヨリフネ
昨年の春、旅行先の古道具屋にて素敵な脚付きグラスを見つけました。
シンプルなのですが光に透かすとガラスの脈理(みゃくり)と呼ばれる透明の筋が幾重にも重なり、控えめながら表情がよく神戸から大事に持ち帰ったのでした。
脚付きグラス、というとなんだかちょっと特別な時に使うイメージでしたが、
気に入りのグラスを無理やりにでも使いたい気持ちがありその夏は麦茶でも炭酸水でもなんでもその脚付きのグラスに入れて飲んでいました。
使うことでより愛着も湧いて、また使う…のループだったのですが、あることに気がつきました。 脚があることで、夏に悩まされるグラスの結露が気にならないのです…!
いつもはビールや氷の入ったグラスをそのまま置いてしまい、テーブルがビシャビシャになる。 我が家のテーブルはアンティークで、塗装をはいだもののためシミになりやすい素材。
コースターを出すのは面倒だし、あまり好きではなく地味にストレスでした。
それが脚付ということで解決することに気づき、そこから何を飲むにも脚付きグラスを愛用しています。
今回はそんな自身の実体験とおすすめから、ガラス作家の奥平明子さんに脚付きグラスをリクエストし、ゴブレットを送っていただきました。普段使いしやすい程よい厚みがあり、ぽってりと可愛らしい雰囲気のガラス。厚みがあることで、こんなにとろりとガラスが美しく見えるんだなぁと知ったのは奥平さんのガラスに出会ったからでした。
まさに夏の普段使いにぴったりな、脚付きグラス。気持ちも少し特別な気分で上向きに。
是非この夏取り入れてみてください。


Case2. 奥平明子
「夏の飲み物」と聞いて真っ先に頭に浮かんだのは、小梅の酵素シロップ。
青梅で作っても美味しいのですが、小梅で作ると特に香りが良く、梅酒、梅ジュースなどいろいろある梅のドリンクの中でダントツで美味しい。 小梅の時期は一瞬なので、逃さないように毎年気を配っています。
ガラス制作は高温の窯の前で作業を行います。近年の夏の長さと猛暑の中、いかに夏を無事乗り切るかということ中心に過ごしています。
作業中はうっかり熱中症にならないよう試行錯誤してきましたが、薄めに水で割った小梅の酵素シロップに、これまた梅干しをつける際にできた梅酢を加えた自家製スポーツドリンクを飲むようになってから熱中症になることはほぼなくなりました。
梅の効果を実感し、「夏を乗り切るお守り」として毎年の定番になっています。
炭酸で割って飲むのが我が家の定番ですが、冷たいうちに飲み切るのが好きなようで「今」飲む量だけを注ぎたい。そんな理由で小ぶりのグラスを愛用。
ちなみにビールは夏というより年中なので、あえて語りませんでしたが、そのときの気分で選ぶ器はバラバラです。それでもやっぱり、350mlを1〜3回ほど注ぎ直せるくらいの小ぶりの大きさが好き。そんなところから、お守りである梅の酵素シロップや梅干しにぴったりな器、
小ぶりのグラスが私の夏を代表する器なのです。


Case3 . ヨリフネ / 三輪周太郎
夏は年々暑くなる。
いまだに建具が木製の、古い家に住んでいる船寄家はクーラーの効きが悪く真夏は地獄。
お酒が好きだけど強くない私は、飲むと余計に暑くなってしまいます。
そこで渋々夏はノンアルコールビールに切り替えるのですが、やっぱりビールほど美味しくはない… そこで”ジンジャービール”が登場です。
辛口のジンジャーエールが飲みたい!と唐辛子多めで、定期的に作っているジンジャーシロップ。ある小料理屋さんで飲んだジンジャービールがとてもおいしかったのを思い出し、これをノンアルで割って飲んでみたところ、ノンアルの「なんだかなぁ…」感がなくなり、ビールと遜色ない美味しさで大満足。
そこから毎年夏になると、ノンアルを飲むためせっせとジンジャーシロップを仕込んでいます。
今回は、そのシロップのための”シロップすくい”を金工作家の三輪周太郎さんにお願いしました。
シロップを一度に仕込む量はショウガ300〜500gほどの分量で、出来上がりはそんなに多くありません。それを冷蔵庫に入るサイズの保存容器に入れています。すくう時はお玉だと大きいし、スプーンだと小さい上に傾けないとすくえない。市販のシロップすくいは持ち手が長すぎてなんか違う。仕方なくスプーンやお玉で毎回「やりにくいなぁ…」と思いながら入れていました。
今回私にとっての「夏と飲み物」といえば、このジンジャービールに他ならない!と思い三輪さんにシロップすくい制作を相談したところ、実は三輪さんも販売はしていないものの、自分用に銅製のシロップすくいを作り普段から愛用されていたとが発覚。
そちらをベースに洋白、アルミも加えて4種類作ってくださいました。
銅製品は今まで身近でなかったため、なぜ銅なのか伺ってみると「銅は使い込むほどに良い色になるのが魅力的。我が家では箸立てに雑多に道具を立てているのですが、色が特徴的で一目で分かるのも面白いと思います」とのこと。
なるほどなぁと早速影響され、銅の作品を迎え入れることにしました。理想のシロップすくいが手に入り今年は最高の夏を迎えられそうです。


Case4 . 塚崎愛
夏の飲み物、というテーマをもらってからはじめに思い浮かんだのはとなりのトトロ。
夏といったら「トトロ」
↓
「トトロ」の、のみもの
↓
さつきがバケツでくむ、あのおいしそうな川の水!
バケツというモチーフ自体がとても可愛く魅力的に感じ、陶器で作るのはどうかな?と思いつきました。
以前、木と陶器という異素材の組み合わせの制作をした際補助的にロープを用いたのですが、自身の陶器とロープの組み合わせがとてもかわいいことに気付きました。
制作のどこかで使えたらなと思っていたこともあり、 「取手をロープにしたらかわいいかも!」 などと頭の中でぐるぐると思考が巡り、陶器のバケツを作ってみたい!というワクワクが抑えきれずに夏の飲み物から枝分かれして、バケツに行き着いてしまいました。
たぶん、店主さんが求めていた結果ではないと思うのですが、「塚崎さんらしい」と受け入れてくれたことに感謝しかありません。
今回は『水』というところから、ごくごく飲める大きさだけど、女性が片手で持てるサイズ感を意識した『大きすぎない、大きめコップ』も一緒に制作しています。
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以前に自身の器について『水が根底にある』と話してくれた塚崎さん。
あのうるうるした水に惹かれたのは偶然でも、思いつきでもなんでもないと感じます。
枝分かれした、というけれど
私にとっては納得の、彼女らしすぎる作品。
用途はお好きに、アイスバスケットや小物入れとしてお使いください。
Case5 . 夏を飲み込む、季節のジャムのソーダ割。
--津村里佳 (ガラス作家)
Case6 . スープだって飲み物。
--小林耶摩人(陶芸家)
Case7 . 体の熱を冷ましてくれる、"夏の"ジンジャーシロップ。
--ties / 遠藤千恵(料理家)
Case8 . 丸ごと冷やしてキュッと飲みたい、シロボトル&グラス。
--津村里佳(ガラス作家)
Case9 . ビールのお供、からあげの器。
--小林耶摩人(陶芸家)





